モンゴロイドである日本人は、なぜかお酒に弱い体質です。しかし「吐けば強くなる」「潰れるまで飲めば強くなる」という言葉をよく耳にします。本当でしょうか?調べてみましたので、よかったら参考にしてください。
1.お酒に強い・弱いを決める酵素
アルコールを飲みます。「酔い」に影響する酵素は、アルコール脱水素酵素(ADH)とミクロゾームエタノール酸酵素(MEOS)-大量のアルコールを摂取した時に活動する-酵素と、そこで分解されなかったアセトアルデヒドという有害物質が体内に残ります。これを分解するのが、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)で、悪酔いに影響する酵素です。能力に大きな個人差があり、まったく分解できない人もいます。分解できないと頭痛や吐き気を引き起こします。
このように「酔い」と「頭痛と吐き気」は症状を引き起こしている仕組みが違います。
2.毎日お酒を飲み続けたら強くなるか?
確かに毎日お酒を飲んでいると、MEOSが活性化して、これがアルコールの分解能力は高くなります。これが「お酒は鍛えると強くなる」仕組みです。
3.アルコール分解能力が上がると本当にお酒が強くなるのか?
これは間違っています。毎日お酒を飲んでMESOのアルコール分解能力を高めると、アルコールの分解が早い分、毒性の強いアセトアルデヒドが急増しますがそれが分解できません。アルコール分解能力が高い人が「すぐに頭痛と吐き気を起こす人=お酒に弱い人」になります。ですので、MEOSを鍛えてお酒の量が飲めるようになると、悪酔いや二日酔いになりやすくなる場合があります。
4.遺伝子で決まっている
お酒が強いか弱いかは、すでに遺伝時レベルで決まっていますので、吐いたところで強くはなりません。親が下戸なら子供も下戸で、親が酒豪だったら子供も酒豪ということになります。
ですので、お酒に弱い遺伝子を受け継いだ人は、吐いても強くはなりません。
弱い人は、お酒を飲む前に何かを食べておくとか、ウコンを飲む、水を極力飲む、などの対策を講じておいて、飲むふりをしてしのぐか、お酒は飲めないとカミングアウトして、場を一緒に楽しむようにした方が楽しく宴会に参加できます。
5.まとめ
二日酔いになるか否かは、遺伝的に受け継いだアセトアルデヒド脱水素酵素のタイプによって決まります。毎日飲んで鍛えて、EEOSを活性化すると酔いにくくはなりますが、結果的に二日酔いになる可能性が高くなります。悪酔いや二日酔いを起こしやすい体質の人が、毎日お酒を飲んで鍛えると二日酔いに関してはむしろ悪化する可能性が高くなります。
非常に残念ですが、遺伝的にアルコールに弱い人は、その影響をより受けやすくなるので、暴飲はやめてください。最善の二日酔い対策は、飲む量を減らす。ということしかありません。
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